赤十字の役割とこれから

昨今において、医療機関の一つとして重要な役割を担っているのが、赤十字といえます。その存在は医療サービス全般はもとより、献血や募金活動などでも知られており、多くの人が信頼を寄せています。赤十字の活動の幅は日本国内にとどまることなく、世界中に広がりをみせています。その根底にあるのは、困っている人を助けたいという考え方であり、先進国や発展途上国などの垣根を超えた取り組みに注目が集まっています。現に、日本において集められた募金なども、海を越えた地域で役立てられています。これらの活動は、単なる医療現場での枠を超えて世界平和という観点からも大きな貢献が期待されています。

これだけ大きな存在となっている赤十字においても、やはり高齢化社会の影響を受けてきており、医師や看護師などの医療従事者の人手不足の問題がクローズアップされてきています。医師においては、特に若手医師の不足が浮き彫りになっており、関係者の間では将来に向けて危機感が増してきています。看護師もまた、若手の人材が減少していっています。看護師の存在は医療現場には必要不可欠です。基本的には、医師の指示のもと患者やその家族への症状や対処方法などの説明をすることはもとより、点滴や注射などの処置に至るまでを行うなど、医療現場において重要な役割を担っています。この命の現場においての緊張の連続に耐えられないとして、生涯の仕事にしたいとする人がいなくなってしまっていたり、新人看護師がすぐ辞めてしまったりという事態に見舞われているのです。